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2018年10月

2018年10月 9日 (火)

ノーベル賞 おめでとうございます

皆さん、こんにちは。最近は台風が立て続けに来ていますが、お変わりないですか。25号は広島のほうでは、雨はそれほどでもなかったですが、風が結構強く、平和公園では木が折れていました。7月にも土砂災害があったばかりで、今年は本当に自然災害が多いです。ちっぽけな人間の力で立ち向かっても大したことにはなりませんので、いかに被害を少なくするかが大切になると思います。日頃からできることをちゃんとしておく、前もってできるのはこれくらいしかないですね。私はマンションに住んでいるので、浸水とかはおそらく大丈夫と思っていますが、停電、断水(マンションでは停電=断水です)に備えて、懐中電灯は5つくらい用意していますし、電池も単3、単4とも20本くらい買いました。水も2Lのが10本くらいあります。また、携帯ガスボンベも6本くらいあり、3~4日は耐えられるようにはしています。それでもやはり災害は怖いです。台風は進路がわかるので、来るぞ来るぞと思って準備もできますし、抜けた後は、とりあえず天気は回復に向かいます。しかし地震はいけません。いつ来るか、いつ余震が来るか全く読めませんし、直下型だと、ビルでも崩落の危険があります。まったく予測ができないところが本当に恐ろしいです。繰り返しますが、できることをしておく、これに尽きると思います。

少し前になりますが、ノーベル賞が発表になり、医学生理学賞に京大特別教授の本庶佑先生が受賞されました。本庶先生の授業(特別講義)は私の記憶が正しければ、学生時代に一度聞いたことがあるように思います。劣等生でしたので、内容は覚えていませんが、生理学の授業だったような気がします。今回受賞されたのは、当時の講義の内容とどれだけ関連があったかは不明ですが、免疫学の基礎に関わる重大な発見によるものです。免疫というのは、疫を免れるということからわかるように、もともと感染症に対する防御機構と考えられていました。もちろんそういう働きもありますが、それ以外に、がんに対する制御、もっというと、日々作られているおかしな細胞、物質を破壊、排除して健康な状況を維持していく働きも大切なものと思っています。それがうまくいかなくなったときに、がんが現れたり、皮膚科関連では円形脱毛症、白斑などの自己免疫疾患、あるいは、アレルギーなどが出てくると思われます。

今回のノーベル賞は、2人の教授が受賞されましたが、いずれも免疫を抑える異なる2つの物質をそれぞれが発見したことによるものです。そしていずれもがすでに抗がん剤として使用されています。その効果は、患者さんによっては絶大で、転移していた病変が消えた人もいます。ちょっと教授たちの仕事について、考えてみたいと思います。免疫の反応には2段階あります。皆さんも、蜂に刺されても1回目は問題なく、2回目にショックになるというのを聞いたことがあるのではないかと思います。生物は、1回目、すなわち、初めてのものに遭遇した時にはアレルギーをはじめ特殊な免疫反応は起こりません。ただ、初めて遭遇したときに、その物質を覚えていき、次にその物質が来たときには、以前のことを思い出して、素早く排除する反応が起こるのが、いわゆる獲得免疫と言われる、皆さんが思っておられる免疫です。話は戻りますが、初めて遭遇したときに覚える、その段階を誘導相といいます。また、2回目にその物質に遭遇したときに素早く反応する段階を効果相といいます。がん細胞はもともと自分の細胞ですが、がん細胞に変化したときに、抗原提示細胞という細胞ががん細胞を分解し、リンパ球という免疫を担当する細胞に、おかしいものがあるよ、これを覚えてねと情報を伝えます。そこで、リンパ球はおかしくなった細胞を覚えて、また次によそで遭遇したときに、素早くやっつけてくれるというのが普通の免疫反応なのです。ところが、がん細胞が抗原提示細胞に分解され、リンパ球に、おかしいものがあるので覚えてね、と情報を伝える際に、同時に抗原提示細胞はB7という合図を送ることがあります。その時には、リンパ球側はCTLA-4というものがB7からの合図を受け取るのですが、これがなんと、おかしなものを覚えてね、という情報を忘れさせる作用があるのです。このCTLA-4の働きを見つけたのが、同時受賞者の一人のアメリカのジェームズ・アリソン教授です。このCTLA-4の働きを抑えると、忘れさせることができなくなるので、免疫が正しく生ずるというわけです。

一方、本庶教授の仕事は、後の相、効果相での反応に関わる仕事です。誘導層で、ちゃんとがん細胞を覚えたリンパ球は、次にがん細胞に遭遇したときに、攻撃してくれるはずなのですが、その際、がん細胞側も壊されたくないので、PD-L1という物質をリンパ球に見せつけます。するとリンパ球がもっているPD-1という物質が反応して、がん細胞への攻撃をやめてしまうのです。まあ、水戸黄門の印籠みたいなものでしょうか。控え~控え~とPD-L1を見せられたリンパ球は、はい、攻撃やめますという感じです。本庶教授は、このPD-1という物質を見つけ、上記の反応を起こすのだ、と証明したのでした。ここまで理解されると、PD-L1かPD-1のどちらかを消すことができれば、水戸黄門の印籠の作用は消えてしまうのではないか、と想像できるかなと思います。オブジーボと言われる先生の仕事から作られたお薬は、このPD-1を働かなくしてしまいます。印籠を壊すのではなく、印籠を見つけるほうを目隠ししてしまう薬です。いずれにせよ、リンパ球は印籠が見えていないので、がん細胞が印籠を振りかざしても意味はなく、どんどんがん細胞を攻撃して破壊してしまうというわけです。文章にするとかなりわかりにくいですが、最近はネットでいい説明もあると思いますので、ご覧になってください。

最後はちょっと硬い話になりました。カープ最終戦、DeNAに負けてしまいました。大瀬良投手の16勝目はならず、最多勝利、最高勝率も微妙になっています。中崎投手は2試合連続負け投手になり、優勝時までの、不敗神話はとっくにどっかに行ってしまいました。あとは巨人が阪神に勝ってくれれば、巨人の3位が決まり、2位ヤクルトと3位巨人の勝者とCSを戦うことになります。いずれがでてきてもカープは圧倒的に勝っているので、これらならいいのですが、DeNAが上がってくると、なんだか嫌な雰囲気です。しかし、3位のチームは巨人、DeNAのどちらになったにせよ、負け越しのチームです。これらが短期決戦を勝ち上がったとして日本シリーズに出るっていうの、ありですか?負け越したチームの場合は、CSの決勝戦は、4連勝以外はダメで一敗した段階で終わりにするくらいのハンデはあってもしかるべきではないかと思います。いままで当然日本シリーズに出られなかったチームが、消化試合を減らす目的で作られたCSのおかげで出れるかも、というのですから、大きなハンデは当然だと思います。それで日本シリーズに出られたからといって、負け越しておいて本当に心から喜べるのでしょうか。私なら、申し訳ない、という感じです。リーグ優勝せずに、CSを勝ち上がって日本シリーズに出たどこかのチームは祝賀会をしなかったというのを聞いたことがあります。あっぱれと思いました。まあ、こんなことを考えなくてもいいくらい、カープにはさっさと勝ち上がってほしいです。

またサンフレは負けが混んできています。勝ち点で並ばれ、得失点差で2位に落ちてしまっていたサンフレは、柏に0-3で敗れ、勝ち点が伸ばせません。一方、首位の川崎は3位の鹿島と0-0で引き分け、勝ち点1をゲット、3位の鹿島とサンフレは勝ち点で10差ありますが、4連敗、4連勝で逆転されます。あと5試合、全勝すれば、川崎が1つでも負けるか、引き分ければ逆転できます。2つ勝てば2位は確定です。まあそんなちんけなことは考えず、カープとのアベック優勝を県民は待っています。がんばれ~がんばれ~。