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2017年12月 4日 (月)

男性型脱毛について

日本人は西洋人に比べて、男性型脱毛に悩んでいる人が多いと言われています。そういう私もそんな男性の一人ですが、その発症の仕組みはだいぶ解明されてきています。

この図は製薬会社MSDのHPからお借りしたものですが、毛の周期(毛周期)には1)成長期、2)退行期、3)休止期、の3つがあるといわれています。成長期は2~6年あり平均は4年です。毛の太さは、成長して、3年くらいで完成すると言われていますので、普通の人は、結構太い毛が生えているはずです。一方、細い毛が多い人は、早めに退行期に入りやすい性質を持っていると言えるでしょう。


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その成長期の毛を弱らせ、退行期に早く入れさせようとするホルモンに、ジヒドロテストステロンがあります。そのジヒドロテストステロンは、男性ホルモンであるテストステロンから作られるわけですが、それを作る酵素が5α還元酵素で、この働きは遺伝的に決まっています。私も、祖父から代々薄毛であります。

その仕組みがわかったので、治療薬が見つかってきています。原理としては、髪の毛を退行期に入れさせるジヒドロテストステロンがわるさをしているので、それを作る、5α還元酵素の働きを止めればいいということになります。その作用を持った薬が、プロペシアであり、ザガーロであるわけです。

実際の効果を見ていただくと、下のような感じです。これは実は私です。

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 内服前  内服1か月後  内服2か月後
 

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内服3.5か月後 内服6か月後  

結構生えてきていると思いませんか。早い人は3か月で、遅い人は1年くらいで効果が出てきます。その効果には個人差があり、私のように増える人と、現状維持ではあるが、飲み始めてから薄くなることがなくなったという2種類があります。そのいずれかになる確率は90%と言われ、かなり有効性は高いとされています。

副作用としては、アレルギー、肝機能障害、女性化乳房(女性のように胸が大きくなる)、性欲減退、インポテンツ等が言われていますが、それほど多くみられるわけではありません。当院でもほとんど見られません。また外国の報告では、男性型不妊の原因になったというものがありますが、日本でははっきりと言われている例はまだないと思います。薬の飲み合わせの心配もないので、安全性の比較的高い薬といえるでしょう。私も10年飲んでいますが、特に問題は出ていません。

気になる方は、スタッフあるいは私に一言お伝え下さい。