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2022年5月8日

2022年5月 8日 (日)

顔に見られる接触皮膚炎の原因

接触皮膚炎がみられる部位で最も多いのが、露出部、その中でも顔です。というのも、特に女性においては化粧品の種類が複数ありますし、最近は男性も、化粧水、乳液、日焼け止めなどをつける方も増えています。それに加えて食べることによって口の周りに食物がつく、マスクなど皮膚に当たるものもある、空気中に漂っているホコリ、花粉などが当たる場合もあるなど、いろんなものに接触する率が最も高いからです。

顔にかぶれを起こしうるものとしては今述べたように

・化粧品

・毛染め

・日焼け止め

・眼鏡

・ゴーグル

・石鹸

・花粉

・空気伝搬性物質

・外用薬

などが挙げられます。

この中で分かりにくいのが、スギ花粉、黄砂など直接目に見えないけど空中に漂っているものと外用薬です。目に見えないもので最も重要なのがスギ花粉です。特に額、頬、上まぶた、顎、首などに花粉が飛ぶ2~4月頃、かゆみとともに赤みや腫れが出てきます。多くの人が、目のかゆみ、鼻水鼻づまりなども同時に起こっているので、知っていればそれとなくわかります。アトピー性皮膚炎の合併率も30%くらいあると言われています。毎年繰り返す人にはアレルギー検査を行いますが、結構な確率でスギ花粉が陽性になります。時に陰性の場合もありますが、その場合は黄砂によるかぶれを考えます。黄砂はご存じのように中国から飛んできますが、表面には硫黄酸化物、窒素酸化物などが付着していますし、カビ、ウイルスもついていると言われています。ですので皮膚が敏感な方は、これらの化学物質によりかぶれてしまうのです。

もう一つ重要なのが、外用薬です。病院からもらった塗り薬は安心、と思っておられる方が多いと思いますが、100%安全な薬はありません。保湿剤や水虫薬などでも個人的な経験では1~2%くらいの人はかぶれる印象ですし、抗生物質でかぶれる人もいます。またここ10年くらい発売されてきたニキビの塗り薬では使用初期には60%くらいの人がひりひりしたり赤くなったりすると言われています。ただ、この薬の場合は2週間くらいたつと慣れて赤みやかゆみが減ってきますので、その期間を耐えることが今後のニキビの発生を抑えることにつながります。ですから、あらかじめ、”そういうことが起こるかも”、と知っておくことがとても重要です。