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2022年5月

2022年5月29日 (日)

首に見られる接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。まだ5月だというのに暑い日が続いており、もう初夏のようです。関東では35度を超えたところもあったようです。今年は梅雨入りが早いと聞いていますが、今年の夏はどうなってしまうのでしょうか。くわばらくわばら。

首に見られるかぶれの原因としては、皆さんもわかりやすいものが多いです。

・ネックレス

・ペンダント

・襟巻き

・洗髪剤(シャンプー、リンスなど)

・空気中に含まれる物質

などが挙げられます。最初の3つは直接首に当たっているのでわかりますね。4番目のシャンプーやリンス、トリートメントなどは洗い流すときに首を通るので、そこでかぶれるというわけです。もちろん頭皮にもつきますが、頭皮は思ったより強く、一方首は皮膚がとても薄いので、かぶれやすいという特徴があります。さらに下に流れて言って、胸のあたりに湿疹ができる方もいます。

空気中に含まれるものとしては、花粉、黄砂、PM2.5などがあり、それらが薄い首の皮膚につくことで皮膚に炎症を生じます。特に3~5月のスギ花粉のシーズンにスギ花粉症の人で首、頬、目の周囲などが急に赤くかゆくなる人は、スギが原因の可能性もありますので、気を付けてください。

2022年5月26日 (木)

耳に見られる接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。5/18-20の巨人戦では惜しいところで3連敗をしましたが、中日戦ではその借りを返すかのように、1,2戦目では打撃が大爆発、大勝でした。そして、日曜日はアンダーソン投手が6回を無失点に抑え、以後は矢崎、森浦、そして復帰してきた栗林投手がいずれもノーヒットで抑えました。打っては、6回裏にアンダーソン投手に代わって代打で出場した堂林選手がホームランを打ち、結局この点が決勝点となり、1-0でカープの勝利でした。中日は柳投手という、これまでカープに2連勝、今シーズンは完封勝利も挙げているエースでした。この日も5回まで1安打で、前々回の試合から21イニング0点と完ぺきに抑えられており、苦手にしていた投手であり、多くの得点は望めませんでした。今日もたったの3安打しか打てていませんでしたので、本当に値千金の一発でした。次回からは苦手の交流戦が始まります。ここを勝ち越せれば今年の上位が確実になるかなと思いつつ、応援したいと思っています。

耳のかぶれの原因としては、

・ピアス

・頭や髪の毛に使用したもの(ヘアクリーム、シャンプー、毛染めなど)

・補聴器やイヤホン、ヘッドホン、電話機

などが挙げられます。ピアスを付けた場合に穴の周囲が赤くなったり腫れたりした場合が当てはまりますが、とても分かりやすいですね。金属アレルギーがほとんどで、ニッケルや金、コバルト、クロムなどが多いです。ピアス穴を開け、そこに金属を入れっぱなしにして穴が完成するまで待つわけですが、その際に入れていた金属がイオン化して耳たぶの皮膚の中に溶け出して、それがかぶれの体質を引き起こすと言われています。ですから、どうしてもピアス穴をあけたい人は、穴をあけたときに入れておくものとしてはプラスチックがいいと思います。一番はピアス穴を開けないのがいいのですが…。ちなみに私の家族の女性たちは、誰もピアス穴を開けていません。

その他、忘れがちなものとしては、頭や髪の毛に使用したものが耳につく場合です。補聴器やイヤホンなどは考えればわかりそうなものですが、日に少ししか使用しない人は忘れがちになります。

さらにこの時期に耳たぶの上の方に強い赤み、腫れが出た場合、日光アレルギーの可能性もありますし、長時間外にいたら日焼けの可能性もありますので、耳たぶのどのあたりが腫れるか、赤くなるかも原因を同定するのに大切な情報となります。

2022年5月22日 (日)

口の周囲に見られる接触皮膚炎の原因

スギ花粉の飛散量が減ってきて、目の周囲のかぶれの方は少しずつ見られなくなってきていますが、まだ鼻水、目のかゆみの症状を訴える方がおられます。今は、ヒノキ、シラカンバ、イネ科花粉がシーズンですので、それらのアレルギーがある方は、引き続きの注意が必要です。

口の周囲のかぶれの原因で最も多いのは、

・化粧品(口紅、リップクリームなど)

・食べ物

・タバコ

などがあげられます。

口紅、リップクリームはわかりやすいですし、食べ物もまずまずわかりやすいですね。ただ、食べ物の場合は、

1)接触じんましんと言って、原因の食べ物が当たったところに数秒から数分以内に、刺激感、灼熱感、かゆみが起こる反応

2)マンゴー、カシューナッツオイル、ギンナンなど、当たって数日後にぶつぶつが生じる反応(こちらが本当の接触皮膚炎に当たります)

3)イモ類(ヤマイモ、サトイモ、こんにゃくなど)やアロエ、パイナップル、キウイなどにはシュウ酸カルシウムが含まれており、その結晶が刺さって赤くなる反応

4)モモ、タケノコなどは表面に毛が生えていますが、それが刺さってかゆみが生じる反応

5)生ニンニクに含まれるアシニンによる化学熱傷に相当するようなただれ、潰瘍が生じる反応

などいろんな物質によって、いろんなタイプの反応があります。アレルギー体質でない方に起こりえる反応もありますので、症状が出た時にはよく考えてみることが大切です。

2022年5月16日 (月)

目の周囲に見られる接触皮膚炎の原因

顔の中でも目の周囲、特にまぶたは皮膚がとても薄いので、ちょっとこすってもすぐ荒れたり腫れたりしますし、脂も出ない部位ですので乾燥もしやすく、バリア機能の弱い部位と言えます。

目の周囲のかぶれを起こす原因としては

・点眼薬

・眼軟膏

・手に付着したマニキュアなどの物質

・頭や顔に付着した物質

・化粧品

・まつげエクステ

・ビューラー

などが挙げられます。

顔の所でも述べたように、花粉、黄砂もあります。目薬やアイメイクに関するものは目の周囲のかぶれの原因としてはわかりやすいですね。見落としやすいのが、手にものがついた状態で目の周囲をこすってかぶれる場合、髪の毛や顔につけたオイル、整髪料などがまぶたに当たってかぶれる場合などでしょうか。アトピー性皮膚炎の患者さんは、かゆみでこすってしまい摩擦による皮膚炎がみられることもあります。その他、金属アレルギーがある方はビューラーの金属部分が皮膚に当たって発症する場合もありますので、要注意です。さらに、目薬の中のベンザルコニウム、チメロサールなどの防腐剤、眼軟膏の中のフラジオマイシンという抗生物質のかぶれにも注意が必要です。最近の目薬の中にはベンザルコニウムなど防腐剤の入っていないものも出てきており、安全性に配慮がされてきています。

2022年5月 8日 (日)

顔に見られる接触皮膚炎の原因

接触皮膚炎がみられる部位で最も多いのが、露出部、その中でも顔です。というのも、特に女性においては化粧品の種類が複数ありますし、最近は男性も、化粧水、乳液、日焼け止めなどをつける方も増えています。それに加えて食べることによって口の周りに食物がつく、マスクなど皮膚に当たるものもある、空気中に漂っているホコリ、花粉などが当たる場合もあるなど、いろんなものに接触する率が最も高いからです。

顔にかぶれを起こしうるものとしては今述べたように

・化粧品

・毛染め

・日焼け止め

・眼鏡

・ゴーグル

・石鹸

・花粉

・空気伝搬性物質

・外用薬

などが挙げられます。

この中で分かりにくいのが、スギ花粉、黄砂など直接目に見えないけど空中に漂っているものと外用薬です。目に見えないもので最も重要なのがスギ花粉です。特に額、頬、上まぶた、顎、首などに花粉が飛ぶ2~4月頃、かゆみとともに赤みや腫れが出てきます。多くの人が、目のかゆみ、鼻水鼻づまりなども同時に起こっているので、知っていればそれとなくわかります。アトピー性皮膚炎の合併率も30%くらいあると言われています。毎年繰り返す人にはアレルギー検査を行いますが、結構な確率でスギ花粉が陽性になります。時に陰性の場合もありますが、その場合は黄砂によるかぶれを考えます。黄砂はご存じのように中国から飛んできますが、表面には硫黄酸化物、窒素酸化物などが付着していますし、カビ、ウイルスもついていると言われています。ですので皮膚が敏感な方は、これらの化学物質によりかぶれてしまうのです。

もう一つ重要なのが、外用薬です。病院からもらった塗り薬は安心、と思っておられる方が多いと思いますが、100%安全な薬はありません。保湿剤や水虫薬などでも個人的な経験では1~2%くらいの人はかぶれる印象ですし、抗生物質でかぶれる人もいます。またここ10年くらい発売されてきたニキビの塗り薬では使用初期には60%くらいの人がひりひりしたり赤くなったりすると言われています。ただ、この薬の場合は2週間くらいたつと慣れて赤みやかゆみが減ってきますので、その期間を耐えることが今後のニキビの発生を抑えることにつながります。ですから、あらかじめ、”そういうことが起こるかも”、と知っておくことがとても重要です。

2022年5月 4日 (水)

2022年後半の往診日

 2018年より、原則第3金曜日を往診日としています。また、2019年10月より、往診日の往診は午前のみとし、午後は普段の午後と同様の完全予約性の診療を行っています。時に間違って午前中に来院される患者さんもおられるようですが、その日はクリニックに原則おりませんし、おりましても往診カルテの整理、処方箋の作成、次に往診に行くための準備などを行なっており、一般診療は行っていません。たとえ遠方からいらしても対応しかねますのでご了承ください。なお、少し先の往診の予定日につきましては院内にも掲示しておりますので、ご覧いただき、今後の来院日について参考にしてください。

2022年の後半の予定は以下の通りです。


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最後になりますが、7月1日より午前も時間予約制となりますので、予約のない方の診療ができません。必ずインターネットか電話で予約を行ってからご来院ください。もし、蜂に刺されたとか、やけどしたとかの急病の場合は、できる限り対応したいと思っていますので、その時はまずはお電話をかけてください。

2022年5月 2日 (月)

頭に見られる接触皮膚炎の原因について

皆さん、こんにちは。ゴールデンウイークが始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか。長い人は(5月2日と6日を休むと)なんと10連休になるようですね。今年は旅行解禁となって海外旅行に行かれる方も多いとか。特にハワイが人気のようです。私も数回行ったことがありますが、気温も暑すぎず寒すぎずいい感じでした。ただ紫外線はとても強かった記憶があります。日本人も多いですし、結構日本語が通じたりして、気楽に行けますね。今年は縛りのない3年ぶりのゴールデンウイークです。有意義な連休としてください。

接触皮膚炎で最も多い場所はやはり露出部ですね。特に顔と言われていますが、それは次回お話しします。

頭の接触皮膚炎の原因としては:

毛染め、シャンプー、トリートメント、パーマ液、整髪料、育毛剤 などが挙げられます。

特に毛染めにかぶれる人は多いですが、毛染めの中のPPD(パラフェニレンジアミン)という成分が原因の大多数と言われています。このPPDは「酸化染料」の一種で、酸化染料とはそれのみでは発色せず、その名の通り酸化することで発色するタイプの染料のことです。過酸化水素で酸化させることで黒褐色になります。かぶれやすいなら、それに代わるものを何か探してくればいいのですが、今までにもいろんな成分が試されたようです。しかし、その中で最も安定性、効率、安全性が高かったのがPPDだったようで、いまだこれに代わる成分は見つかっていません。

では、PPDが合わない人は毛染めができないのかというと、そうではありません。大きく2種類の対応があります。一つはヘアマニキュアを使用することです。これは髪の毛にコーティングをするもので、PPDは使いません。欠点は洗っているうちにコーティングがはがれてくるので、月に1回程度染め直さないといけないということです。ただ、毛染めでも、1か月くらいたつと、髪の根元から白い毛が1センチくらい生えてくるので、それはそれで染め直さないといけませんから、そういう点からすると同じくらいの頻度で染めることになるかなと思います。もう一つはPPDを含まない染料を使うということです。有名なのは「マロン🄬」と「ナチュリエ🄬」です。いずれもPPDを使わず毛を染めてくれますが、やはり安定性が少し弱く、色が抜けるのがPPDを使用した時よりは少し早いかもしれません。