化粧品に配合される保湿成分について ー1- ヒューメクタント
化粧品に配合される保湿成分には大きく2種類があります。
1)ヒューメクタント(モイスチャライザーとも言います)
水そのものと結びつき、水分を保持する働きを持つもの
2)エモリエント
水の蒸発を防ぐためのバリアを形成するもの。親油性または無極性なものが多い。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1)ヒューメクタント
①天然保湿因子に含まれる成分
代表的なものとしては、天然保湿因子に含まれる、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素などが挙げられます。これらが化粧品には単独、あるいは複数配合されています。その他、乳成分を乳酸菌で発酵させて上澄みを抽出した乳酸菌発酵液などもあります。
②ムコ多糖類
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などがここに分類されます。特にヒアルロン酸は多くの化粧品に配合されており、多くは分子量の大きいものです。従って、角質を通って下に行くことができないので、保湿効果は角質の表面で発揮されることになります。一方で、皮膚への浸透力を高めるために低分子化や、ほかの物質との複合化の研究なども行われてきています。
③ポリオール
1分子中に2個以上の水酸基(ーOH)をもつ低分子化合物のことで、グリセリン、1-3ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられます。グリセリンは保湿作用が高く、生体由来成分でもあることより、多くの化粧品にも配合されています。また、1-3ブチレングリコール、プロピレングリコールは抗菌作用を持っているので、パラオキシ安息香酸エステルなどの防腐剤の使用量の減少にも役立っています。