2022年6月17日 (金)

日用品による接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。コロナウイルス感染患者数も徐々に減ってきています。ただ、外国人の入国も増えてきていますし、大きな会場でのイベントも通常通りになってきています。このまま減り続けていけばいいなと思いますが、実際はどうなるやらわかりません。人口密度の高い状況ではやはりマスクの着用は必要だろうと思います。一方外を一人で歩くときなどでは、熱中症予防の意味もありますのでマスクの着用は避けるのがいいでしょう。少しでも社会全体で、そのあたりに寛容になっていってほしいと思っています。

日用品による接触皮膚炎には

1)刺激性接触皮膚炎

2)アレルギー性接触皮膚炎

があります。刺激性のタイプは多少肌の強さで症状が出るまでの時間に差があるものの、誰でも一定以上の接触機会、頻度があればかぶれを生じるものです。アレルギー性の方は、その物質に対してアレルギーを持っている人だけが発症するものでです。

1)刺激性接触皮膚炎の原因

①界面活性剤 特にアニオン系(陰性)・・・これは簡単に言うと、洗剤などのことです。手を洗いすぎたりすると発症します。

 A)カルボン酸塩(石鹸など) 天然の牛脂、ヤシ油、パーム油など

 B)スルホン酸塩(家庭の合成洗剤の主力)

 C)硫酸エステル塩(家庭用や工業用の各種洗浄剤) 

 D)その他(洗浄剤、帯電防止剤、乳化剤、シャンプーの原料)

②ドライクリーニング液・・・衣類に残留してやけどのような症状を引き起こします。

 ・合成皮革、人工皮革などの皮革製品

 ・透湿防水加工布使用製品

 ・中綿入り製品

 ・ダウン製品

 ・肩バッド入り製品

 

2022年6月12日 (日)

下肢に見られる接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。今日をもって野球の交流戦が終わりました。開始前には5割を目標にしていたカープですが、終わってみれば5勝13敗とぶっちぎりの最下位でした。6つあった貯金はあっという間に底をつき、借金2となってしまいました。幸い、セリーグの下位球団もあまり勝てませんでしたので、3位は維持していますが、どん底阪神が交流戦では6つの勝ち越しで、4位に急上昇。カープと2ゲーム差まで近づいてきています。大瀬良投手、西川選手は調子を崩して2軍に行っています。こんな状況でこれからどう戦っていくか、どう立て直していくのか、注目しています。

下肢に見られるかぶれの原因としては

・切削油

・硬貨、鍵

・冷却ゲル寝具

・消毒薬、外用薬、湿布薬

・脛あて(レガース)

・弾性ストッキング、靴下のゴム

・ソックタッチ

・靴の内側の接着剤

などが挙げられます。直接当たっているものはわかりやすいですが、硬貨や鍵というのはポケットに入れていた金属物質が、汗で溶け出してかぶれるという仕組みです。ですから太ももの前外側に赤みなどが見られます。それと薬によるかぶれ、これもとても大切です。下肢のにできた傷は治りにくいという特徴がありますが、その傷に消毒や塗り薬を毎日使用していて最初は問題なかったのに、そのうちかぶれるようになることがあります。私も医師のなりたての頃、下腿の傷にポピドンヨードで毎日消毒をしてもらっていて潰瘍がどんどんひどくなり、消毒をやめたらあっという間に治ってしまったという経験があります。また水虫薬でかぶれる人も2~3%くらいいる感じですので、足の指の間がかゆくて水虫薬を塗っていてどんどん赤くなったり、ガサガサしてきたら塗るのをすぐやめて皮膚科を受診してください。

2022年6月 8日 (水)

腕に見られる接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。カープは予想通り、交流戦はズタボロです。なんでこんなに弱いのか、と思うほどです。打てないし、打っても全く点に結び付きません。勝つときは1-0とか、相手が四球、死球を出しまくって自滅してくれたときとかだけです。ピッチャーは少ない失点で頑張っていますが、打線がカスですね。パリーグの投手の多くはコントロールがいいとは決して思いません。思い切って真ん中に投げてパワーで抑えている感じです。それなのにど真ん中でもバッターが振らないから当たるわけがないです。振らないと始まらないのに・・・。投手を見殺しにしないようにはしてほしいものです。今日も遠藤投手、その後の投手も頑張って抑えていました。一方打線が打たないので、勝ち目がないですね。今日も0-1で負けか。ほんと残念です。

腕に見られるかぶれの原因としては、

・手袋でカバーできない部分についた物質(洗剤、油、有機溶剤など)

・ブレスレット

・湿布薬

・抗菌デスクマット

などが挙げられます。手袋でカバーできないものが付く、というのはわかりやすいですね。その他、手袋の手を入れるところの内側がざらざらしていて、それによって炎症が起こる場合もあります。湿布薬もわかりやすいですが、一つだけ特徴的なものとしては、ケトプロフェンテープがあります。これは貼っただけではかぶれを起こさないのですが、はがした後、2か月以内に紫外線を浴びた時に、貼ったところに赤み、盛り上がり、かゆみが生じるという特徴があります。この成分は痛み止めとして大変よいもので、とても売れています。ただ、ケトプロフェンが体質に合わない人が少数ですが、存在しています。ケトプロフェンは皮膚に貼って、はがした後も2か月くらい皮膚の中にずっととどまっているので、そこに紫外線が当たると、体質によってかぶれるというのが、この反応の仕組みです。長期間皮膚の中に残っているというのがミソです。気を付けてください。

抗菌デスクマットも重要なかぶれの原因の一つです。腕をマットにくっつけるので、腕の内側にかぶれがでます。腕の内側は基本的にはそんなに物が当たるところではないので、ここにかぶれのサインがでたら、腕が机についていないか、私は聞くようにしています。

2022年6月 2日 (木)

体幹部に見られる接触皮膚炎の原因

体幹部は広いのでかぶれを生じる原因は多数あります。

・下着

・ゴム

・ベルトのバックル

・洗濯洗剤、柔軟剤

・塗り薬

・消毒薬

・痛み止めのシップ

・冷却ゲル寝具

・入浴剤

・石鹸、シャンプー

などなど。

へその周りに500円玉くらいの、丸い、ガサガサした赤い病変が出たら、まずはベルトのバックにによるかぶれを考えます。その他、ブラジャーのホックやひもの調節用の金属でのかぶれも少なくありません。見落としやすいのは、石鹸、洗剤、柔軟剤などでしょうか。体を洗う石鹸ですが、一度使って真っ赤になればすぐわかりますが、ごく軽いかぶれのときは、数回使っても悪くならず、ちょっと悪くなった時にお薬をもらって塗るとすぐよくなるので、かぶれの原因とは気づきにくいです。その後薬を塗るのをやめるとまたかゆくなってきますので、慢性の湿疹性の病変、すなわちアトピーを心配する方も出てきます。私の経験では、乳幼児の肌荒れの3割くらいは石鹸のかぶれと感じています。そういう患者さんの多くは、上述したように、薬を塗ったら治るけど、やめるとすぐガサガサして掻き始めます、と言って来院されます。そして「1週間ほど石鹸をやめてみて」、というと次回来られた時に、「つるつるになりました」と言われるのが典型的な経過です。

2022年5月29日 (日)

首に見られる接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。まだ5月だというのに暑い日が続いており、もう初夏のようです。関東では35度を超えたところもあったようです。今年は梅雨入りが早いと聞いていますが、今年の夏はどうなってしまうのでしょうか。くわばらくわばら。

首に見られるかぶれの原因としては、皆さんもわかりやすいものが多いです。

・ネックレス

・ペンダント

・襟巻き

・洗髪剤(シャンプー、リンスなど)

・空気中に含まれる物質

などが挙げられます。最初の3つは直接首に当たっているのでわかりますね。4番目のシャンプーやリンス、トリートメントなどは洗い流すときに首を通るので、そこでかぶれるというわけです。もちろん頭皮にもつきますが、頭皮は思ったより強く、一方首は皮膚がとても薄いので、かぶれやすいという特徴があります。さらに下に流れて言って、胸のあたりに湿疹ができる方もいます。

空気中に含まれるものとしては、花粉、黄砂、PM2.5などがあり、それらが薄い首の皮膚につくことで皮膚に炎症を生じます。特に3~5月のスギ花粉のシーズンにスギ花粉症の人で首、頬、目の周囲などが急に赤くかゆくなる人は、スギが原因の可能性もありますので、気を付けてください。

2022年5月26日 (木)

耳に見られる接触皮膚炎の原因

皆さん、こんにちは。5/18-20の巨人戦では惜しいところで3連敗をしましたが、中日戦ではその借りを返すかのように、1,2戦目では打撃が大爆発、大勝でした。そして、日曜日はアンダーソン投手が6回を無失点に抑え、以後は矢崎、森浦、そして復帰してきた栗林投手がいずれもノーヒットで抑えました。打っては、6回裏にアンダーソン投手に代わって代打で出場した堂林選手がホームランを打ち、結局この点が決勝点となり、1-0でカープの勝利でした。中日は柳投手という、これまでカープに2連勝、今シーズンは完封勝利も挙げているエースでした。この日も5回まで1安打で、前々回の試合から21イニング0点と完ぺきに抑えられており、苦手にしていた投手であり、多くの得点は望めませんでした。今日もたったの3安打しか打てていませんでしたので、本当に値千金の一発でした。次回からは苦手の交流戦が始まります。ここを勝ち越せれば今年の上位が確実になるかなと思いつつ、応援したいと思っています。

耳のかぶれの原因としては、

・ピアス

・頭や髪の毛に使用したもの(ヘアクリーム、シャンプー、毛染めなど)

・補聴器やイヤホン、ヘッドホン、電話機

などが挙げられます。ピアスを付けた場合に穴の周囲が赤くなったり腫れたりした場合が当てはまりますが、とても分かりやすいですね。金属アレルギーがほとんどで、ニッケルや金、コバルト、クロムなどが多いです。ピアス穴を開け、そこに金属を入れっぱなしにして穴が完成するまで待つわけですが、その際に入れていた金属がイオン化して耳たぶの皮膚の中に溶け出して、それがかぶれの体質を引き起こすと言われています。ですから、どうしてもピアス穴をあけたい人は、穴をあけたときに入れておくものとしてはプラスチックがいいと思います。一番はピアス穴を開けないのがいいのですが…。ちなみに私の家族の女性たちは、誰もピアス穴を開けていません。

その他、忘れがちなものとしては、頭や髪の毛に使用したものが耳につく場合です。補聴器やイヤホンなどは考えればわかりそうなものですが、日に少ししか使用しない人は忘れがちになります。

さらにこの時期に耳たぶの上の方に強い赤み、腫れが出た場合、日光アレルギーの可能性もありますし、長時間外にいたら日焼けの可能性もありますので、耳たぶのどのあたりが腫れるか、赤くなるかも原因を同定するのに大切な情報となります。

2022年5月22日 (日)

口の周囲に見られる接触皮膚炎の原因

スギ花粉の飛散量が減ってきて、目の周囲のかぶれの方は少しずつ見られなくなってきていますが、まだ鼻水、目のかゆみの症状を訴える方がおられます。今は、ヒノキ、シラカンバ、イネ科花粉がシーズンですので、それらのアレルギーがある方は、引き続きの注意が必要です。

口の周囲のかぶれの原因で最も多いのは、

・化粧品(口紅、リップクリームなど)

・食べ物

・タバコ

などがあげられます。

口紅、リップクリームはわかりやすいですし、食べ物もまずまずわかりやすいですね。ただ、食べ物の場合は、

1)接触じんましんと言って、原因の食べ物が当たったところに数秒から数分以内に、刺激感、灼熱感、かゆみが起こる反応

2)マンゴー、カシューナッツオイル、ギンナンなど、当たって数日後にぶつぶつが生じる反応(こちらが本当の接触皮膚炎に当たります)

3)イモ類(ヤマイモ、サトイモ、こんにゃくなど)やアロエ、パイナップル、キウイなどにはシュウ酸カルシウムが含まれており、その結晶が刺さって赤くなる反応

4)モモ、タケノコなどは表面に毛が生えていますが、それが刺さってかゆみが生じる反応

5)生ニンニクに含まれるアシニンによる化学熱傷に相当するようなただれ、潰瘍が生じる反応

などいろんな物質によって、いろんなタイプの反応があります。アレルギー体質でない方に起こりえる反応もありますので、症状が出た時にはよく考えてみることが大切です。

2022年5月16日 (月)

目の周囲に見られる接触皮膚炎の原因

顔の中でも目の周囲、特にまぶたは皮膚がとても薄いので、ちょっとこすってもすぐ荒れたり腫れたりしますし、脂も出ない部位ですので乾燥もしやすく、バリア機能の弱い部位と言えます。

目の周囲のかぶれを起こす原因としては

・点眼薬

・眼軟膏

・手に付着したマニキュアなどの物質

・頭や顔に付着した物質

・化粧品

・まつげエクステ

・ビューラー

などが挙げられます。

顔の所でも述べたように、花粉、黄砂もあります。目薬やアイメイクに関するものは目の周囲のかぶれの原因としてはわかりやすいですね。見落としやすいのが、手にものがついた状態で目の周囲をこすってかぶれる場合、髪の毛や顔につけたオイル、整髪料などがまぶたに当たってかぶれる場合などでしょうか。アトピー性皮膚炎の患者さんは、かゆみでこすってしまい摩擦による皮膚炎がみられることもあります。その他、金属アレルギーがある方はビューラーの金属部分が皮膚に当たって発症する場合もありますので、要注意です。さらに、目薬の中のベンザルコニウム、チメロサールなどの防腐剤、眼軟膏の中のフラジオマイシンという抗生物質のかぶれにも注意が必要です。最近の目薬の中にはベンザルコニウムなど防腐剤の入っていないものも出てきており、安全性に配慮がされてきています。

2022年5月 8日 (日)

顔に見られる接触皮膚炎の原因

接触皮膚炎がみられる部位で最も多いのが、露出部、その中でも顔です。というのも、特に女性においては化粧品の種類が複数ありますし、最近は男性も、化粧水、乳液、日焼け止めなどをつける方も増えています。それに加えて食べることによって口の周りに食物がつく、マスクなど皮膚に当たるものもある、空気中に漂っているホコリ、花粉などが当たる場合もあるなど、いろんなものに接触する率が最も高いからです。

顔にかぶれを起こしうるものとしては今述べたように

・化粧品

・毛染め

・日焼け止め

・眼鏡

・ゴーグル

・石鹸

・花粉

・空気伝搬性物質

・外用薬

などが挙げられます。

この中で分かりにくいのが、スギ花粉、黄砂など直接目に見えないけど空中に漂っているものと外用薬です。目に見えないもので最も重要なのがスギ花粉です。特に額、頬、上まぶた、顎、首などに花粉が飛ぶ2~4月頃、かゆみとともに赤みや腫れが出てきます。多くの人が、目のかゆみ、鼻水鼻づまりなども同時に起こっているので、知っていればそれとなくわかります。アトピー性皮膚炎の合併率も30%くらいあると言われています。毎年繰り返す人にはアレルギー検査を行いますが、結構な確率でスギ花粉が陽性になります。時に陰性の場合もありますが、その場合は黄砂によるかぶれを考えます。黄砂はご存じのように中国から飛んできますが、表面には硫黄酸化物、窒素酸化物などが付着していますし、カビ、ウイルスもついていると言われています。ですので皮膚が敏感な方は、これらの化学物質によりかぶれてしまうのです。

もう一つ重要なのが、外用薬です。病院からもらった塗り薬は安心、と思っておられる方が多いと思いますが、100%安全な薬はありません。保湿剤や水虫薬などでも個人的な経験では1~2%くらいの人はかぶれる印象ですし、抗生物質でかぶれる人もいます。またここ10年くらい発売されてきたニキビの塗り薬では使用初期には60%くらいの人がひりひりしたり赤くなったりすると言われています。ただ、この薬の場合は2週間くらいたつと慣れて赤みやかゆみが減ってきますので、その期間を耐えることが今後のニキビの発生を抑えることにつながります。ですから、あらかじめ、”そういうことが起こるかも”、と知っておくことがとても重要です。

2022年5月 4日 (水)

2022年後半の往診日

 2018年より、原則第3金曜日を往診日としています。また、2019年10月より、往診日の往診は午前のみとし、午後は普段の午後と同様の完全予約性の診療を行っています。時に間違って午前中に来院される患者さんもおられるようですが、その日はクリニックに原則おりませんし、おりましても往診カルテの整理、処方箋の作成、次に往診に行くための準備などを行なっており、一般診療は行っていません。たとえ遠方からいらしても対応しかねますのでご了承ください。なお、少し先の往診の予定日につきましては院内にも掲示しておりますので、ご覧いただき、今後の来院日について参考にしてください。

2022年の後半の予定は以下の通りです。


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最後になりますが、7月1日より午前も時間予約制となりますので、予約のない方の診療ができません。必ずインターネットか電話で予約を行ってからご来院ください。もし、蜂に刺されたとか、やけどしたとかの急病の場合は、できる限り対応したいと思っていますので、その時はまずはお電話をかけてください。

にいみ皮ふ科アレルギー科