肌についてのひとりごと

2022年4月 3日 (日)

光線過敏症を疑う症状について

皆さん、こんにちは。今日も天気が良かったですね。また気温も結構上がって、ひなたは暖かでした。ここ1週間は20度を超えた日もあり、いつも14度以上にはなっており、春が来たと実感できます。しかしその一方で、しょうがないとはいえ、桜は徐々に散ってきていてちょっと寂しいです。名残惜しいのでしょう、今日も自宅近くの桜の木の下では、多くの人が花見を楽しんでいました。

顔が赤くなったと言って、病院にいらっしゃる方も少しずつ増えていますが、光線過敏を考えるにあたっては、どこが赤くなったかが重要です。髪型や服装にもよりますので、一概には言えないのですが、

1)顔 特に鼻の頭、額、頬

2)耳 耳の上、耳たぶ

3)首の後ろ

4)首の下、胸の上のVゾーン

5)手の甲

が、急に赤くなったら光線過敏を考えてみましょう。気温がそんなに高くなくても、ある一定時間、日光に当たると炎症が生じる可能性があります。気温が高くない日ほど、ピリピリ感がわかりにくくなりますので、知らないうちに長時間外にいたりすることもあり注意が必要です。

また、特殊なタイプというか、季節の初めだけ、しばらく日光に当たっていなかった皮膚に日がある程度当たったときに出る皮膚炎があります。少し暖かくなって初めて腕まくりをしたときや、初めて半袖を着た時に、前腕に小さく赤いぶつぶつが出ます。その場合は、2週間くらい日に当たっていると、慣れてきてだいじょうぶになりますが、かゆみが強い時には皮膚科を受診してください。

2022年3月30日 (水)

光線過敏症について

皆さん、こんにちは。先日も書いたのですが、春分の日を過ぎてしまっているこの頃が一年で最も紫外線を浴びる時期です。春分の日と秋分の日、いずれも太陽が真東から登って真西に沈む、昼と夜の時間が12時間ずつであると同じコンディションです。となると紫外線量も同じと考えてもらっていいのですが、9月はまだまだ暑く、35度とかにもなりますので、ひなたに出ない、たとえ出ても日陰で過ごす、日傘をさす、もちろん日焼け止めは塗る、と皆さん紫外線対策をしておられます。しかし春分の日のころは、適度な温かさ、日によっては寒い日もありますので、暖かさを求めてあえてひなたを選んで歩く人もちらほらいますし、暑くないので、外に2時間いても何ともありません。風が冷たいと紫外線でひりひりした感じがあるはずなのに、冷やされることで感じなくなり、日焼けに気づきにくくなります。さらに、冬の間、日に当たらなかったことで、前年の日焼けが薄くなっていて、紫外線に対して皮膚が敏感になっています。それに加え紫外線量が少ないと油断して日焼け止めをつけ忘れる人も結構いたりして、この時期が紫外線暴露に関しては最も要注意の時期になるのでした。

今回からしばらくは光線過敏症のお話です。上述したように、日光にある程度当たると赤くなったりひりひりしたりするのは誰でも起こりうるわけですが、普通なら問題ない量(時間)の紫外線に当たっただけなのに、皮膚に炎症が起きてしまうものを光線過敏症と言います。原因の分類としては、

1)体質によるもの

2)光線過敏を引き起こす何らかの物質の関与するもの

があります。ただ、原因不明のものも多くあります。

次回から、もう少し詳しく説明していきたいと思います。

2022年3月21日 (月)

大人ニキビについてのまとめ

今まで、いろいろ大人ニキビについてお伝えしてきましたが、重要な点をまとめてみますと、

1)大人ニキビは、ニキビ体質を持っている人だけができます

2)多くは敏感肌です

3)生活習慣の見直しが大切です。具体的には・・・

 睡眠をとりましょう

  バランスの良い食事を摂りましょう

   むやみに触らないようにしましょう

    ストレスをへらしましょう(簡単にはできないかもしれませんが)

     便秘にならないように注意しましょう

      毛穴をふさがないような化粧をしましょう(コンシーラー、リキッドファンデーションなど)

4)一度できると治るまでに時間がかかります。赤みがひくまでには最低半年はかかりますので、できないように気をつけましょう

5)治療には毛穴のつまりをとる薬とアクネ菌の増殖を抑える薬の2つがあります

6)薬の使い初めには肌荒れや赤みがみられることがありますが、いずれ慣れてきます。よく説明を聞いて使用を継続しましょう

7)ニキビができているときには、体のどこかが不調というサインですので、体の声に耳を傾けてください

2022年3月16日 (水)

大人ニキビの方に行っていただきたいこと

皆さん、こんにちは。この3日はほとんど夏か、と思うくらい昼が暑いですね。2月までは朝も昼も寒かったのに、この2週間で10度くらい気温が上がっています。そういう時は風邪などひきやすいので体調管理をしっかりと行ってください。また、気温が上昇するにつれて、スギ花粉量、また時期的に黄砂飛散量も増加しますし、紫外線量も確実に増加しています。季節性アレルギー性鼻炎の患者さん(いわゆる多くはスギ花粉症)は人口の40%、それ以外の原因によるアレルギー性鼻炎の患者さんも合わせるとアレルギー性鼻炎は人口の50%に達すると言われており、ほとんど国民病になっています。私もスギ花粉症ですが、3月になってから急に眼、鼻の症状がつらくなりました。目の症状は目薬、鼻の症状は内服、スプレーを上手に使ってうまく症状をコントロールしてください。

大人ニキビの方に自宅で行っていただきたいことがあります。以前にも述べたかもしれませんし、中にはむつかしいこともありますが、少しでもいいので、行ってみてください。

1)ストレスのない生活をしましょう

2)睡眠を十分とりましょう

3)バランスの良い食事をしましょう

4)甘いもの、脂っこいもの、ナッツ類などは控えましょう

5)アルコール タバコは肌に悪影響を与えるので、やめましょう

6)入浴は湯船にゆっくりとつかりましょう(湯温は39~41度)

7)ヘアケア製品、スタイリング剤に注意しましょう(髪が当たるところに出やすいです)

8)化粧や服装にも気をつけましょう(当たる服、チクチクする服に注意)

9)できるだけノンコメドジェニック の化粧品を使うようにしましょう

2022年3月 6日 (日)

大人ニキビの治療について

皆さん、こんにちは。3月に入った途端、日中の気温が上がり急に暖かくなりました。朝夕は相変わらず1度前後ですが、昼頃には15度くらいになったりして、気分がいいですね。ただ、花粉症の人(私もそうですが)にとっては花粉量が増えてきますので、つらい時期になりつつあります。症状がある程度強い人は、症状が出る前に内服薬を開始するといいと言われています(もちろん、最近の薬は即効性がありますので、症状が出てからスタートしても間に合わないわけではありませんが)。それでも落ち着かない、あるいは目に症状が出る方は、鼻スプレーや目薬も併用するといいでしょう。

大人ニキビの治療で大切なことは思春期のものとは少し異なります。

1)治療のゴールはニキビが全くでなくなること、ではなく、できにくくする、と頭を切り替えること

   思春期のニキビは、脂の量と皮膚の完成度がマッチするとでにくくなりますので、おおむね高校卒業までには落ち着く人が多いです。一方、大人ニキビは、ベースに脂漏性素因を持っている人がなるので、いつ治るかはわからないですし、完治はかなりしにくいと言われています。

2)もう一つのゴールは、ニキビ跡(瘢痕)を残さないようにすること

   こちらは思春期のものと同じです。一度できた跡は本当に治りにくいし、ある程度深くなってしまうと治らないものもあります。とにかく新しくニキビができるたびに、ニキビ跡になる恐れが増えますので、新しいニキビを出さないようにすることが一番大切です。

3)そのためには、思春期ニキビと比べて生活を整えることの比重が重くなります。避けるべきこととして、

   *睡眠不足、*ストレスをためる、*バランスの良い食事ができていない、*触ってしまう などに注意しましょう。

   

2022年2月27日 (日)

もうすぐ3月になります。紫外線に注意を

皆さん、こんにちは。ここずーっと朝晩の冷え込みが厳しいですね。特にここ最近の10日間は最低気温が2.7度以下といつも寒い朝ばかりでした。一方最高気温は3.9~12.9度と10度近い差があり、昨日などは11.1度と結構ポカポカしていい感じのお昼でした。まだまだ寒い日が続くと思いますが、最近は夕方まだ明るいなと思うようになりました。それはそのはず。来週からもう3月になりますから。

3月となれば春分の日がやってきます。この日を境に昼と夜の時間が逆転し、太陽の出ている時間のほうが長くなります。となると、そうです、紫外線が強くなってくるのです。まだまだ寒いくせに紫外線だけは強い。寒いので暖かさを求めてひなたを歩く人が多いのですが、紫外線の強さに気づいていない人がほとんどです。9月の秋分の日と3月の春分の日、太陽は真東から登り12時間後に真西に沈みます。紫外線の強さは同じと考えられますが、気温は20度くらい違うかもしれません。9月は暑いですから、日焼け止めもばっちり、日傘もばっちり。一方3月は寒いので日焼け止めも忘れる人が多いですし、暖を求めるため、日傘をさしている人はほとんどいません。シミやしわが気になる人は本当に注意が必要です。マスクをしているから日焼け止めは不要と考えている方もおられるようですが、白の不織布ではSPFで言えば「3」程度しかないようです。ですから、しっかりと日焼け止めをつけてください。

過去の日焼け止めのブログはこちらこちらです。興味のある方はお読みください。

2022年2月19日 (土)

ニキビの原因別の分類

皆さん、こんにちは。なんだかんだと言っても冬のオリンピックも終盤にかかりました。日本選手の皆さん獲得のメダル数も過去最高になりました。メダルを取れなかった選手も私たちに感動、勇気を与えてくれましたね。あと少し、残りの競技の選手の皆さんには怪我なく全力を出し切ってほしいと思います。

原因によるニキビの分類としては

1)普通のニキビ(思春期に誰でもできる可能性のあるニキビ)

  *毛包の成熟が性腺の成熟より遅れると、毛包が対応できず、皮膚の脂が溜まりニキビができる

       ・・・>だから毛包と生成の成熟が一致すると、思春期にニキビができない人もいます

  *一定の年齢まで次々出てくる

2)成人に出るニキビ(敏感肌、脂の多い部位に皮膚炎の出やすい体質の人に出るニキビ)

  *20歳前後から、ニキビ体質(脂漏性素因をもつ)の家系の人だけに出る

  *多くは脂漏性皮膚炎を持っている

  *不規則な生活、寝不足、ストレスなど体のバランスが崩れると出やすい

  *血中の男性ホルモン増加(副腎由来なので女性にも生じる)により皮脂腺の機能が高まると出る

  *体調を鋭敏に反映するので、体調が悪いとすぐ出てくる

3)薬ででくるニキビ

  *ステロイド、ピル(経口避妊薬)、結核の薬、てんかんの薬など

4)その他のニキビ

  *化粧品による(コンシーラー、リキッドファンデーションなどで、毛穴をふさぐ)

  *油による(工場、揚げ物店などで、脂が顔にいつもつくため生じる)

  *カビによる

  *ニキビダニによる

2022年2月13日 (日)

大人ニキビについて

ニキビは思春期に見られるものですが、20歳を過ぎてから出てくる人も多くおられます。ニキビの発症にはいくつかの因子(要因)が関わっています。

1)脂腺が大きく毛の細い、いわゆる脂腺性毛包が多い

2)角化因子(毛穴のつまりを引き起こす)

3)ホルモンバランス(男性ホルモンが多いと、脂の分泌量が増える)

4)毛の中の細菌(アクネ菌、黄色ブドウ休診、マラセチア菌)

5)遺伝因子(ニキビのできやすい体質がある)・・・大人ニキビができやすい人は’’脂漏性皮膚炎’’をおこしやすい体質でもある。

’’脂漏性皮膚炎’’とは、脂漏部位(脂が多く出やすい部位)に見られる皮膚炎のことですが、脂漏部位とは頭、顔、前胸部、背中の中央、わきの下、へそ、陰部などを指します。顔では特にTゾーンと小鼻の脇、耳~耳の周囲が特に脂の量が多い部位と言われています。そこに赤み、カサカサがみられます。そしてこの皮膚炎は20歳前後から発症し、数十年続くこともあります。肌荒れやふけ症も軽度の脂漏性皮膚炎と考えてもいいでしょう。そして敏感肌の代表でもあります。ですから、体調が悪くなるとすぐ肌もボロボロになります。寝不足のときに化粧のノリが悪くなるのを経験される方は多いと思いますが、肌とは体調をすぐに反映してしまうのです。

2022年2月 6日 (日)

ニキビ肌のスキンケアについて

皆さん、こんにちは。最近は朝夕がとても寒いですね。日中は暖かくなる日もありますが、とにかく朝夕が寒いです。昨日も雪が舞い散り、市内の最低気温はマイナスになっていました。そのせいもあり、しもやけの患者さんが最近は多くいらしています。冷えには注意してください。

敏感肌、乾燥肌について少し述べてきたので、これからしばらくはニキビ肌についてお話をしたいと思います。ニキビの原因は、過剰な皮脂分泌だけではありません。もちろん思春期の額などのニキビについては皮脂の量が最も大きな要因と言えますが、二十歳を超えてのニキビの患者さんも数多くいらっしゃいます。特に大人ニキビについては、年齢、ホルモンバランス、ストレス、生活習慣の乱れ(不適切な食事、寝不足、悪いお通じなど)、間違ったスキンケアなど、様々な要因が複雑に関係して皮膚に影響を与えることが原因だと言われています。例えば、皮膚が乾燥し皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れると角質が厚くなって、古い角質が毛穴をふさいでしまうことでニキビが始まってしまうことがあります。ニキビ肌に合った正しいスキンケアをしましょう。その一つとして、ニキビ肌用の化粧品をお勧めします。「ノンコメドジェニックテスト済み」の記載があるものが安心です。

2022年2月 2日 (水)

スキンケアの方法 男性編

男性のスキンケアも基本は同じです。

洗浄 → 保湿 → 遮光

1)洗顔料はしっかり泡立てて、優しく洗います。

2)すすぎは35度の熱くも冷たくも感じない(無感温度)で行いましょう。

3)洗顔をした後はすぐ保湿をしましょう。

4)乾燥が気になる方は、化粧水だけでなく、乳液やクリームなど組み合わせて使います。

5)外出される予定のときには、日焼け止めを使いましょう。

※ ひげを剃るときには、肌が弱い人は、肌を傷つけないよう電気カミソリの方がいいでしょう。ただ、その際には洗顔前に剃ることが大切です。洗顔してから剃ると、脂がなくなっているので、摩擦が大きくなります。T字カミソリで剃る場合は、シェービングフォームやシェービングジェルをたっぷりつけ、少し時間をおいてから剃るとひげが柔らかくなって剃りやすくなります。

保湿について一言。

男性は女性より脂が多いので、潤っていると思っている人が多いですが、実際は女性よりも水分量が少なく、乾燥しやすい肌状態になっています。洗顔後、化粧水だけでは乾燥が気になる方は、乳液やクリームなどを優しく手のひら全体を使って塗りましょう。